熱帯魚の縄張り争いは必然だった?縄張り意識が高い熱帯魚は?

生物

結論から申しますと、縄張り意識が強い・弱い熱帯魚は数多くいますが、どの熱帯魚にも縄張り意識は存在します。

水槽という狭い空間での飼育になるので、縄張りという概念はないように思えますが、実際には縄張り争いが起こってしまいます。

自然界ではごく当たり前のことで、自分の縄張りに入ってきた魚を、攻撃して近づけさせないことは当たり前です。

特に魚の場合には、同じ種族の魚同士で縄張り争いが起こります。

これから熱帯魚を飼い始めたい方や、すでに飼育しているけど、縄張り争いで困っている方の参考になれば幸いです。

熱帯魚の縄張り争いは当たり前

我々人間は、高い理性と知性をもつ存在です。

さらに、小さな時から学校に通い、正しいことを考え行動ができる生物です。

ただし、熱帯魚は、弱肉強食の世界で生きている生物です。

強いものが勝ち、強いものが子孫を残していくという世界です。

それは、自然の中でも、家の水槽の中でも変わることはありません。

熱帯魚を複数飼育する環境の中では、弱肉強食の世界が自然と構築されていきます。

つまり、縄張り争いは、必然的に起こるわけです。

縄張り争いに負けた熱帯魚はどうなる?

縄張り争いが激化し、縄張り争いに負けてしまった、魚は餌も食べずに (食べられずに) 弱っていくことがあります。

最悪のケースはそのまま栄養失調で死んでしまいます。

ここまでエスカレートすることはなかなか起こらないかもしれませんが、熱帯魚を販売しているお店でも、1匹だけやせ細った魚が隅の方にいたりすることがあります。

水槽という狭い社会で魚を飼育する以上、起こってしまうことなのです。

縄張り意識が高くなる特徴

水槽内で一番大きい

水槽内で一番体が大きいものは、縄張り意識が高くなります。

ジャイアンは、良い例です。

体が一番大きい=一番強い

熱帯魚も同じです。

自分が水槽内で、一番大きい(強い)と分かれば、縄張り意識が高くなります。

縄張り意識が高くなると、餌を独り占めしたり、弱い者いじめしたりします。

大切な熱帯魚を死なせないためにも、水槽内の様子を観察しボス魚が誕生したら、他の魚をいじめたり餌を占領しないよう対策を取らなければなりません。

繁殖によるオス同士の喧嘩

熱帯魚の世界では、複数のオスが1匹のメスを奪い合うことがよく起こります。

他のオスに、メスを取られまいと、オスに攻撃したりします。(時には死なせてしまうこともあるとか。。。)

例えば、同じ種の熱帯魚を同じ水槽内に飼います。

オスメス比率は、オス2匹メス1匹。

オス2匹は、1匹のメスをかけて争います。

当然、強い方が飼って、メスと結ばれます。

弱い方は、前述したように追いやられます。

餌場の確保によるもの

餌場の確保も、縄張り争いに発展します。

水槽の中の熱帯魚は、1日に朝と晩の二回の餌の時間しか餌を食べる事ができないので、餌の時間は争いの時間になります。

水槽の中にはエアレーションによって餌が集まりやすいスポットもできるため、その餌が集まりやすいスポットは、縄張り争いの場所になりやすいです。

縄張り意識が強い魚種を同じ水槽で飼う

言うまでもありませんが、相性の悪い魚同士を同じ水槽で飼ったり、縄張り意識が強い魚同士を飼ったりすれば、水槽内は、戦場になります。

縄張り意識が強い熱帯魚は、後述で詳しく紹介しています。

水槽に新しい熱帯魚を入れること

水槽を立ち上げて魚を導入し数か月が経つと、その水槽内でのコミュニティが確立され、各々の縄張りが出来てきます。

上位に立つ魚と下位の弱い魚、まったく気にしない魚、それぞれの生活ぶりが見えてくるかと思います。

そこに新しい魚を入れてしまうと、その瞬間に縄張り争いが始まります。

新しく水槽に入れた魚には「突然入ってきた侵入者」のレッテルを貼られ、攻撃の対象になってしまうことがあるのです。

喧嘩しやすい同じ種類の魚を数匹入れると、序列が付きます。

縄張り争いを起こさせない環境づくり

熱帯魚同士の縄張り争いは、小さな小競り合いから噛みつき合いまで発展することがあり、複数飼育する場合には「必ず」何かしら起こります。

これは残念ながら防ぎようがありません。

野生の縄張り意識がバリバリある魚達を小さな水槽で飼うわけですから当然です。

しかし、工夫次第で、縄張り争いを減らすことは可能ですので、いくつかご紹介します。

単独で飼育する

これが一番確実な方法です。

1匹しかいなかったら喧嘩する相手がいませんので(笑)

しかし、単独飼育というのは寂しい所がありますよね。

縄張り争いは絶対に「させない・見たくない」という方にはおすすめです。

オスとメスで1匹ずつ飼育する

生物界すべてに共通することですが、生物は、自分の子孫を残す為に縄張り争いを行います。

つまり、繁殖によるいざこざを防ぐために、オスとメスを1匹ずつ飼育する方法です。

メスの奪い合いが起こらないように、1匹ずつ飼育します。

オスは、競合(他のオス)が水槽内にはいませんので、縄張り意識が強くなることはありません。

同じ種類の魚は1匹ずつ入れる

面白い事実ですが、違う種類の魚同士では意外と縄張り争いが起こりにくく、単体の縄張り意識も強くなりづらいです。

例えば、縄張り意識が強い、エンゼルフィッシュ2匹は喧嘩しますが、エンゼルフィッシュ1匹とモーリー1匹では縄張り争いは起こりづらいです。

これは、縄張り争いを行う相手が、同種の魚であるという競争意識が生まれないためであると考えられます。

熱帯魚とは比べ物にならない大きな魚を入れる

すでに縄張り意識が高くなってしまっている熱帯魚がいる水槽の場合、そこへ、はるかに多きな魚を入れることで、水槽内の縄張り争いを落ち着かせることも可能です。

ただし、投入する大きな魚が、肉食とかはダメですよ?(笑)

水槽内に仕切りをする

水槽の数が増やせない方に、おすすめの方法です。

物理的に縄張り争いを行っている魚同士を、分けることができます。

水槽内の仕切り板も売られておりますので導入しやすいかと思います。

注意点として、仕切り板は、きちんと固定しておかないと外れてしまったり、少し力の強い魚には崩されてしまったりするので、注意です。

魚の数を増やして、標的を絞れないようする

上級者のテクニックになります。

水槽内を過密にして魚を多くすれば、例え縄張り意識が高い熱帯魚でも標的を絞れないようになったり、そもそも自分の縄張りを確保できなくなりますので、効果があります。

この方法は、縄張り意識の強い弱いをしっかり把握していないと、難しい方法です。

縄張り意識が一番高いやつを、個別飼育する

どうしても縄張り意識が一番強いやつの争いが止まず、水槽内での隔離もうまくいかないようであれば、ボス魚を水槽を分けて、個別飼育するのが一番の解決法です。

しかし種類によっては大型水槽が必要になることもあるでしょうし、別水槽を置く場所の確保が必要なので、万人向けではありません。

いじめられている魚を隔離しても根本的な解決にはならない

縄張り争いに負けてしまった弱い魚を隔離ケースに入れることで、一旦争いはやみますが、縄張りの長であるボス魚はしきりにケース越しに攻撃しようとすることも多いです。

また、縄張りを争う対象がいなくなったために、ボス魚が他の魚と争いを始める可能性もあります。

なので、縄張り争いが激しい水槽は、縄張りの長を別の水槽に入れたり、隔離ケースにいれることで、縄張り争いは収まります。

んー人間と一緒ですね。。。

縄張り意識が強い熱帯魚

最後に縄張り意識が強い熱帯魚をご紹介します。

今後、熱帯魚を飼い始めたい方や、買い足したい方の参考になれば、幸いです。

コンゴテトラ

コンゴテトラは比較的穏やかな性格の持ち主です。

しかし、成魚になると少し縄張り意識が出ることがあります。

また、比較的大きくなる(10cmくらい)魚ですので、ジャイアン方式で、縄張り意識が強くなる傾向があります。

エンゼルフィッシュ

エンゼルフィッシュは知名度がとても高く、アクアリウムに興味がない人の中でも1度は見たことがあるという方が多いと思います。

しかし、性格は、気が強い魚なので注意が必要です。

口に入ってしまうサイズの魚は食べますし、同種間、もしくは近縁種間での縄張り争いも頻繁に起きます。

シリキルリスズメダイ

鮮やかな青い体色と尾の黄色のコントラストが美しいスズメダイの仲間です。

スズメダイの名前が付くように気が強く、同種での混泳をはじめ、さまざまな魚と縄張り争いをすることも非常に多い魚です。

成長しても5cmほどと小さいですが、他の大き目めな魚がいても物怖じする性格ではないです。

シクリッド

シクリッドはとても種類が豊富で色が美しいものも多くアクアリウムでも人気の高い魚です。

気の強い性格で、縄張り意識が強い熱帯魚です。

ブラックテトラ

ブラックテトラは小型の淡水魚です。

小さな水槽でも飼育でき、丈夫で水質変化にも強いことから初心者にもおすすめの熱帯魚です。

その一方で成長するにつれて温和な性格がどんどん荒くなる傾向があります。

子どものうちは他の魚と混泳をさせて大丈夫だったとしても、成長した後では他の魚が尾ひれをかじられるなどのトラブルも起きることがあります。

スマトラ

スマトラは体に入る黒いラインと鼻先やヒレの赤色が美しい熱帯魚です。

アクアリウム界では気が強い魚としても知られています。

小型淡水魚なので、複数飼育や混泳で水槽内を華やかにできますが、他の魚のヒレをかじったり、同種で縄張り争いをするなど気性の荒さが目立つこともあります。

まとめ

熱帯魚の縄張りについて解説させていただきました。

水槽という狭いコミュニティの中で、種類の違う魚と泳ぐことになるので、熱帯魚自身も相当なストレスを受けていることは間違いありません。

縄張り争いがエスカレートして、お互いを傷つけあうようになると、飼い主としては水槽を見てられない状況になります。

水槽内での縄張り争いは、前述の通り、ある程度解消ができます。

ただ、「絶対に縄張り争いが起こらない水槽」というのは、「単独飼育の水槽」以外はあり得ない話であるということです。

熱帯魚も、野生の生物ですので、自分の子孫を残すために、生きるために、縄張り争いを行います。

今回の記事が、これから熱帯魚を飼い始めたい方や、すでに飼育しているけど、縄張り争いで困っている方の参考になれば幸いです。

その他の生物の縄張り争いや、縄張り意識について解説させていただいている記事もございます。

併せて読んでいただけますと幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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