カラスは、主に3月~6月頃が繁殖期で、縄張り意識が一番強くなります。
時節、人間の出したゴミを荒らしたり、人間に危害を加えたりして、人間から避けられる傾向があるカラス。
実は、賢い頭脳を武器にして威嚇するだけでなく、そのあとのアフタフォローも適格に実施していました。
この記事を読むと、カラスの縄張り意識について理解できるほか、カラスについての見方が変わります。
最後まで読んでいただけますと幸いです。
縄張り意識
3月~6月の繁殖の時期に、結ばれたオスメスは、巣を形成し、外敵や侵入者が入らないように縄張りを防衛し、ヒナに餌を与え育てます。
縄張り防衛は、単独か、オスメスのつがいで防衛し、縄張り侵入者に対して威嚇します。
6月~7月巣で育てられたヒナは、幼鳥に成長して巣立ちをします。
子育てを無事に済ませるために卵を産んで巣立つまでは、特に縄張り意識は強くなります。
繁殖期が終わると、オスメスのつがいでの縄張り範囲や意識はあるものの、軽い威嚇のみで、襲いかかるまでは発展しません。
縄張り範囲
カラスの縄張り範囲は、巣を中心に半径20から100mです。
人間が、何気なく巣を見上げたり、縄張りとは知らずに巣の近くに近づいただけで威嚇や攻撃を受けることがあります。
また、普段なら気にしない地上にいる犬や猫などの動物や人に対しても、巣のエリアに入ると、大声を張り上げて威嚇します。
縄張り侵入者に対しての威嚇レベル
レベル★☆☆☆
カラスの縄張り(半径20から100m)に入ったり、巣をみつめている人や外敵がいたりすると、その人や外敵をじっと監視します。
監視は縄張りの外に出るまで続きます。
レベル★★☆☆
巣との距離が近くなると、鳴きながら周囲を飛び回り、とまっている電線や枝などをつつきます。
侵入者に対して鳴く(威嚇)するので、多くはこの段階で威嚇に気づきます。
レベル★★★☆
さらに巣に近づくと「ガーッ、ガーッ、ガーッ」と大きな声で鳴き、小枝や葉を下に落としたりします。
この段階になると、侵入者と親鳥までの距離はかなり近いです。
レベル★★★★
それでも巣に近づくと、人間の場合、後から頭をかすめるように飛んだり、頭を足で蹴りつける攻撃をしてくることがあります。
天敵の場合は、接近して追い払う動作をしたり、足で蹴りつけたりします。
※走って逃げたり、石を投げたり、棒などを振り回すのは逆効果です。
返ってカラスの攻撃が過激化します。
カラスは背後から頭部を攻撃するので、傘をさしたり、帽子をかぶることが最善です。
集団で生活しているカラスの縄張り意識はるのか?
集団で生活するカラス(3匹以上)は、繁殖期を迎えていない若鳥です。
通常、巣立ちから親鳥まで成長するまでには、2~3年の歳月が必要です。
※若鳥=巣立ちから2~3年です。
彼らは、まだ「縄張り」意識を持っていません。
時節、カラス同士で争いをしていることもありますが、近くに巣がなければ、単に餌の奪い合いによる争いです。
ここは自分のエリアだ、という縄張り争いを行っているわけではありません。
カラスの鳴き声の意味
カラスというと「カァ~カァ~」と鳴いているイメージがあります。
個体によっては40種類以上もの鳴き方を使い分けていると言われています。
他の鳥と比べてはるかに多くの鳴き声を持っており、すべての鳴き声は解明されていないそうです。
カラスの鳴き方の意味
「カァ~カァ~」
「カァ~カァ~」とのんびり鳴くのは仲間とコニュニケーションを取りながら鳴いている時の鳴き声です。
仲間と目的地まで移動する際に仲間とはぐれないようにコミュニケーションを取っています。
「カカカカカ」
「カカカカカ」と短く鳴くのは食事の合図、エサを見つけた時に仲間に知らせる時の鳴き声です。
「カアッ、カアッ」「クアッ、クアッ」「ガーッ、ガーッ、ガーッ」
「カアッ、カアッ」や「クアッ、クアッ」「ガーッ、ガーッ、ガーッ」と短く断続的に鳴くのは、縄張りを主張している鳴き声です。
前述の威嚇レベル★★★☆くらいです。
「カァァカァァ」「カァカァカァ」「ガァッ!ガァッ!」
縄張りに人間や天敵が近づくと「カァァカァァ」と鳴いて警告し、それでも敵が立ち去らないと「カァカァカァ」と鳴き声の間隔が短くなっていきます。
最終的には「ガァッ!ガァッ!」と濁った声で鳴いて襲い掛かってきます。
威嚇レベル★★★★に相当し、人間の場合、背後から後頭部目掛けて飛び蹴りしてくるパターンですね。
カラスが鳴く回数の意味
カラスは鳴き方だけではなく鳴く回数にも意味があると言われています。
1回:仲間との挨拶
2回:注意喚起、空腹
3回:位置を知らせる、安全、威嚇
4回:警戒、危険、威嚇
5回:警戒、危険、逃げろ
6回:敵がいる
7回:リーダーが指示を出している合図
8回:集合、集団行動の合図
鳴く回数によって意味が変わるということは、カラスは数を数えられるということですよね。
カラスは鳴き方と鳴く回数を組み合わせて、仲間と上手にコミュニケーションを取り、より複雑な意味を持った伝達ができるという説もあります。
伝達方法については、解明していない部分も多々あるそうです。
カラスは非常に高い知能を持った鳥類で、その賢さはなんと人間の7歳児に匹敵するといわれています。
もし、学習をさせることができれば、人間の言葉も理解できるかもしれません。
カラスが朝に鳴く理由
カラスが朝に鳴くことは、主に縄張りの主張です。
カラスは年々数が増えてきており、比例しての縄張りの距離も近くなり、縄張り争いや縄張りを確認するために、うるさく鳴きます。
特に3~6月は繁殖期ということもあり、特にうるさく感じることが多いです。
カラスが昼に鳴く理由
カラスが昼に鳴く一番の理由は外敵の接近です。
縄張りに近づいてきた敵を威嚇、攻撃するために大きな声で鳴きます。
特に市街地などでは、人の動きが活発になるので、比例してカラスもうるさく鳴くという訳です。
カラスが夜に鳴く理由
カラスは昼行性ですが、夜に鳴くこともあります。
夜に鳴くカラスは、少し不気味ですが、意味があります。
カラスが夜に鳴く主な理由は興奮しているからです。
予想外に良いエサを見つけた時などは興奮して鳴き声を上げます。
また、ゴミ出しのタイミングを狙って鳴いているという説もあります。
賢いカラスは、ゴミ出しをする人間の顔を覚えて待ち伏せをすることもあるそうです。
ゴミ収集所が、頻繁に荒らされる場合は、ゴミ出しを夜に出している人がいるからかもしれません(笑)
カラス同士の縄張り争いの末路
前述で、カラスの繁殖期の3月~6月は、カラスも縄張り意識が非常に強くなるとお伝えしました。
しかし、繁殖期が終わってもとの関係修復を試みる賢いカラスもいます。
縄張り争いで、痛めつけてしまったカラスに謝罪の意味を込めて、相手の羽繕いをするらしいです。
人間が働く上でも人間関係を大切にしていますが、カラスにとっても、今後住んでいく範囲に、仲の悪いカラスがいれば、また争いに発展しますからね。
先を見越しての関係修復とは、賢すぎます(脱帽orz)
まとめ
結論、カラス賢すぎます(笑)
チンパンジーやサルなども比較的賢い動物ですが、個人的には、チンパンジーやサルなどは、本能的な部分はあまり制御できないイメージです。
例えば、自分の子孫を残すためには、いかなる手段を使ってでも子孫を残したりしまよね。
でも、カラスの場合は、繁殖期は縄張り意識が強くなりますが、子育てが終わり繁殖期が過ぎれば、縄張り意識は徐々に弱まり、繁殖期中に痛めつけたカラスの関係修復まで行うカラスもいます。
長い目で見れば、今後生きていくためには最善な方法ですよね。
私も見習わらないと・・・・
その他の生物の縄張りについてまとめている記事がありますので、ご覧いただけますと幸いです。
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