日本国内には北海道に生息するヒグマと、本州に生息するツキノワグマの2種類のクマがいます。
北海道の約55%の地域はヒグマが、本州の約45%の地域にはツキノワグマが生息しています。
日本には、ヒグマとツキノワグマの2種が生息しています。
今回は、ヒグマとツキノワグマの縄張り意識や縄張り争いについて解説します。
結論から言います。
ヒグマとツキノワグマ両種に共通しますが、
縄張り意識や縄張り争いは、ほとんどありません。(題名に縄張り意識を解説しますとか記載してしまい、申し訳ありません。)
なぜ、記事にしているかと言いますと、そもそも生物は、縄張り争いを行い、餌を確保したり、自分の子孫を増やしたりしています。
クマは、一見めちゃめちゃ強そうで且つ、人も襲う事もあります。
そんなクマ達が、縄張り争いを行わず、絶滅しないで、これまでどのように生きてきたのか、個人的に気になり記事にしてみました。
ツキノワグマ
特徴と性格
ツキノワグマの生息地は、本州と四国です。
大きさは、頭の先からお尻までは110~130センチです。
体重はオスが80キロ程度、メスが50キロ程度です。
性格としては、臆病で人間を恐れています。
クマが人間の存在に気づけば、大抵の場合は、クマのほうから逃げていきます。
ただし、至近距離でいきなり出くわしたり、子グマを連れた親グマと遭遇したときは、身の危険を感じ、自分自身や我が子(子クマ)を守るために攻撃を仕掛けてくることがあります。
よくNEWSで人間が襲われたニュースを目にしますが、大体は、上記のようなケースが多いです。
なわばり範囲(行動範囲)
前述していますように、ツキノワグマは、固定した縄張りを持ちません。
しかし、決まった地域を行動範囲としています。
その行動範囲については、オスで平均100平方キロ、メスで平均40平方キロだといわれています。
分かりやすく言うと、東京ドーム約2140個分だそうです。
それだけ広い、行動範囲があれば、必ず、他のクマと遭遇した時に縄張り争いに発展してしまいそうですよね。
他の動物であれば、間違いなく縄張り争いに発展してます(笑)
ツキノワグマの場合は、個々の行動範囲が大きく重なり合うことが明らかになっています。
つまり、互いの行動範囲、縄張りにしている範囲を他のクマとも共有しているのです。
今までの生物の中では、あまり見られない光景です。
そして、ほぼ決まった地域を行動範囲としますが、餌が不足すると、餌を求めて行動範囲を広げます。
縄張りを持たず、自由に移動することによって、必要な食物を得ています。
特に食料が不足する時には、広い範囲を動き回ります。
まとめると、ツキノワグマは、常に餌を求め、餌の豊富な場所へ縄張り範囲を移動します。
他のクマとの縄張り範囲が重なっても、縄張り争いになることは少ないです。
繁殖期や冬眠前は、凶暴化
繁殖期の6~7月は、オスのツキノワグマは、自分の子孫を残す為、気性が荒くなります。
前述で縄張り争いは少ない種と解説しましたが、この時期のオスのツキノワグマの縄張りに侵入してしまうと、襲われる可能性が高いです。
そして、繁殖期の終わり頃でも、まだ交尾できていない、オスは、すでに子供がいるメスの子供を殺して、自分の子孫を残そうと交尾をせまる、オスもいます。
それほど、この期間は、気性が荒くなりますし、オスにとっては、大切な時期なのです。
また、冬眠前の10~11月は、冬眠に向けて餌を多く蓄える時期です。
餌が十分に確保できないと、気性が荒くなり、場合によっては、人に危害を加えるケースも発生しています。
ヒグマ
特徴と性格
ヒグマの生息地は、北海道全域です。
大きさは、頭の先からお尻までは200~230センチ、体重は150~250キロとされています。
日本では最大の陸上動物です。
ヒトよりも大きい野生生物は、日本ではそうそうお目にかかれません。
北海道の先住民族であるアイヌの人々は、ヒグマを神様として敬い、祈りと感謝を捧げてからクマ狩りをしている文化もあります。
性格は、ツキノワグマ同様、基本的に性格は臆病で人間を恐れています。
クマが先に人間の存在に気づけば、たいていクマのほうから逃げていきます。
しかし、近年では人間を恐れず近づいてくる「新世代クマ」と呼ばれるクマもいるそうです。
基本は人間を恐れている動物ですが、例外もいますので危険な動物です。
縄張り範囲(行動範囲)
ヒグマも、ツキノワグマと同じように、固定した縄張りを持ちません。
お互いを排除し合うような固定した縄張りをもたず、重なり合った個々の行動範囲を持っています。
ツキノワグマと比べてヒグマの調査例は数が少ないため、平均的な行動範囲の広さについては一概には言えませんが、メスよりもオスの方が広いです。
オスは、1日100Km以上で、メスは、半径数kmとだいぶ狭くなっています。
確認された行動範囲は、495 平方キロになったことが報告されています。
ツキノワグマ(オス)は、平均100平方キロですので、段違いに広いことがわかります。
これだけ広いと、当然他のヒグマと、縄張りが重なりますが、ツキノワグマ同様、縄張り争いに発展することはありません。
そもそも、クマは単独行動する生物に加え、行動範囲もとても広いので、多少の縄張りが被ろうと、そもそも気にしないのかもしれません。
広範囲にわたって移動するクマですから、その行動圏に人間の生活圏が入っていることも少なくありません。
そのため、人間への危害も比例して多いように感じますが、人間側からヒグマに対し嫌がらせみたいなことを行わない限り、人間への危害は少ないです。
その理由としては、前述しているように、北海道の先住民族であるアイヌの人々は、ヒグマを神様として敬い、祈りと感謝を捧げてからクマ狩りをしている文化もあったように、ヒグマと人間との絶妙な距離感でお互いが暮らしてきたことも関係しているかもしれません。
もしクマに遭遇してしまったら
登山中や、山間部でのキャンプなど、注意していても、クマに出会ってしまうかもしれません。
遭遇しないことがベストですが、万が一のために備えましょう。
登山や山間部のレジャーの際には、クマよけスプレーや、鈴などの対策も忘れずに!!
遠くにクマがいるとき
- 落ち着いてその場から離れましょう。
- 大声を出したり、走って逃げるのはやめましょう。
- 好奇心で写真を撮るのはやめましょう。フラッシュや、シャッター音でクマが驚き、襲われる可能性があります。
近くにクマがいるとき
- 落ち着いてゆっくりとその場から離れましょう。その際、クマに背を向けずに、クマを見ながら、ゆっくり落ち着いて後退してください。※あわてた人の急な動作で驚いて、攻撃してくることがあるので、冷静に、あわてず、クマが立ち去ってからその場を離れましょう。
- 突発的におそわれたら、両腕で顔や頭をガードして、大ケガを避けましょう。
まとめ
日本の陸上生物の中では、一番大きくて凶暴なクマですが、縄張り意識や縄張り争いは、ほとんどないです。
クマというのは、親元を離れてからほとんどが、単独で生活していく生き物ですので、それも関係しているかもしれません。
ですが、シャチのように群れで攻撃してくる習性があれば、日本はクマに壊滅されていたかもしれませんね(笑)
人間に危害を加えるケースというのは、人間側の対応がまずかったりするケースがほとんどではないかと思います。
また、他の生物ではあまり見かけない、縄張りを共有する特徴もありました。
普通であれば、自分の縄張りに何かが侵入してくれば、たちまち攻撃をすることが、動物の本能と思っていましたが、クマの場合は、そもそも行動範囲(縄張り範囲)が、めちゃくちゃ広いので、多少のことは気にならないのかもしれません。
下記でも、他の生物についての縄張りについてまとめていますので、併せて読んでいただけますと幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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